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2019.10.22 16歳未満の子供を夫ではなく妻の扶養にしたら、妻の住民税が0円になった!
知らないと損をする生活の知恵シリーズ
保険関係の記事は前回で終わり、今回と次回は税金のお話
年少扶養控除と住民税非課税の関係
かなり長文ですが、ご夫婦共働きで奥様が旦那様の扶養に入っていない方にとっては、知っておくとかなりお得な情報です。
現在がそうでなくても、過去5年以内にこのような状況であった場合、扶養控除の所属の変更という手続きをすれば支払い過ぎた住民税の還付を受けることも可能です。
毎年10月~11月ころ、ちょうど今頃ですね
お勤め先から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」というものをもらって、家族の名前や年齢を記入して提出していると思います。
16歳未満のお子さんがいるご家庭では、一番下の欄にお子さんの名前を書いていると思います。
※16歳未満かどうかは、12月31日時点の年齢で判定します
所得税については、夫婦どちらの扶養に入れても、また何も記入しなくても全く影響はありません。
平成23年の税制改正以前は、16歳未満のお子さんも扶養控除の対象となっていましたが、年少扶養控除の廃止に伴い、控除の対象ではなくなりました。
ただ、住民税については夫婦どちらの扶養に入れるかで大きな差が出ることがあります。
例)夫:年収500万円 妻:年収200万円 子供2人(3歳・5歳)
このご家族の場合、子供2人を夫婦どちらの扶養に入れようが、「夫」の所得税と住民税には全く影響はありません。
たいていの方は「夫」の扶養に入れてるでしょうね。
ただし、「妻の住民税」は、夫の扶養に入れるのか、妻の扶養に入れるのかで、結果は変わります。
夫の扶養に入れた場合と、妻の扶養に入れた場合の住民税の所得割を比較してみましょう。
※住民税には均等割というものもありますが、扶養の有無に関係なく一律5,000円(大阪府は5,300円)なので、所得割のみ比較しています。
※社会保険料控除・生命保険料控除等は人によって違うので未考慮
①子供2人を夫の扶養にした場合の、妻の住民税(所得割)
200万円-78万円(給与所得控除)=122万円(所得)
122万円(所得)-33万円(住民税の基礎控除)=89万円(課税所得)
89万円(課税所得)×10%(住民税税率)=8.9万円
②子供2人を妻の扶養にした場合の、妻の住民税(所得割)
妻の住民税(所得割):0円
なぜ、こんな差が出るのか?
住民税には非課税基準というものがあり、扶養している人の数によって、所得が一定金額以下の場合は所得割が非課税になるという取り扱いがあります。
大事なのは、16歳未満の年少扶養控除の人数を住民税の非課税基準の判定には使うということ。
以前あった所得税の扶養控除(16歳未満の子供)のように、課税所得の計算上、1人当たりいくら控除するというものではなく、この人数を含めて計算した結果が一定の金額以下であれば、住民税の所得割自体を払わなくて済むというものです。
市町村によって基準額に若干差異はありますが、多くの自治体で採用されているのが下記計算式です
扶養0人:35万円
扶養1人以上:
35万円×(1+扶養人数)+32万円
注※大阪市は32万円の部分が21万円です
重要なのは、この計算式の扶養人数には、16歳未満の子供も含まれることです。
所得税の計算上は全く対象にならないのに・・・です
所得税の税率は、課税所得195万円以下は5%、195万円を超えて330万円以下の部分は10%と、収入が多い人ほど税率が高くなります。
社会保険加入者の場合は概ね330万円~350万円より給与総額が少なければ所得税の税率は5%です。
ところが住民税の所得割は収入総額に関係なく一律10%なので、所得の少ない方は支払う税金の中での住民税の割合が大きくなります。
この住民税が非課税扱いになるのですから結構大きいのではないでしょうか。
【扶養人数と非課税基準の関係】
※下記計算の非課税基準の所得というのは課税所得ではなく、給与総額から給与所得控除額を差し引いた金額です。
基礎控除や社会保険料控除等は計算に入れず、計算した所得金額が下記金額以下であれば非課税扱い
下記金額を超える場合は、その金額に基礎控除や社会保険料控除・生命保険料控除等を加味して課税所得を計算し、その金額の10%が住民税所得割の税額となります。
※年収は給与のみの場合の概算です
例に挙げた、3歳・5歳の子供がいるご夫婦の場合に戻ると
年収200万円の妻の扶養人数に子供2人を入れたので、年収221万円(所得137万円)まで住民税の所得割は非課税となったのです。
子供2人を夫の扶養にしている場合は、妻の扶養人数は0人ですが、妻の収入が100万円を超えているため非課税とはならず、住民税が普通に課税されます。
しかし、夫の年収は500万円と、扶養人数が2人になったところで、221万円を超えているため、住民税の計算では何の意味もありません。
でも、妻の住民税は大きく変わります。
【昨年以前分の変更について】
下記条件を全て満たす場合、「扶養控除の所属の変更」という手続きをすることによって、支払い過ぎた住民税が還付されます。
・ご夫婦のどちらも年末調整を受けていること
・確定申告をしていない方であること
・扶養親族を増加させようとする者(妻)と減少させようとする者(夫)両名が、その所属の変更を記載した「確定申告書」を提出すること(片方だけでは認められません)
上記に該当する場合は、過去5年分の住民税について再計算し還付が可能です。
国税庁ホームページリンク
もし、今年分の「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社に提出してしまった方は、来年1月までであれば訂正が可能だと思うので、会社に相談してください。
保険関係の記事は前回で終わり、今回と次回は税金のお話
年少扶養控除と住民税非課税の関係
かなり長文ですが、ご夫婦共働きで奥様が旦那様の扶養に入っていない方にとっては、知っておくとかなりお得な情報です。
現在がそうでなくても、過去5年以内にこのような状況であった場合、扶養控除の所属の変更という手続きをすれば支払い過ぎた住民税の還付を受けることも可能です。
毎年10月~11月ころ、ちょうど今頃ですね
お勤め先から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」というものをもらって、家族の名前や年齢を記入して提出していると思います。
16歳未満のお子さんがいるご家庭では、一番下の欄にお子さんの名前を書いていると思います。
※16歳未満かどうかは、12月31日時点の年齢で判定します
所得税については、夫婦どちらの扶養に入れても、また何も記入しなくても全く影響はありません。
平成23年の税制改正以前は、16歳未満のお子さんも扶養控除の対象となっていましたが、年少扶養控除の廃止に伴い、控除の対象ではなくなりました。
ただ、住民税については夫婦どちらの扶養に入れるかで大きな差が出ることがあります。
例)夫:年収500万円 妻:年収200万円 子供2人(3歳・5歳)
このご家族の場合、子供2人を夫婦どちらの扶養に入れようが、「夫」の所得税と住民税には全く影響はありません。
たいていの方は「夫」の扶養に入れてるでしょうね。
ただし、「妻の住民税」は、夫の扶養に入れるのか、妻の扶養に入れるのかで、結果は変わります。
夫の扶養に入れた場合と、妻の扶養に入れた場合の住民税の所得割を比較してみましょう。
※住民税には均等割というものもありますが、扶養の有無に関係なく一律5,000円(大阪府は5,300円)なので、所得割のみ比較しています。
※社会保険料控除・生命保険料控除等は人によって違うので未考慮
①子供2人を夫の扶養にした場合の、妻の住民税(所得割)
200万円-78万円(給与所得控除)=122万円(所得)
122万円(所得)-33万円(住民税の基礎控除)=89万円(課税所得)
89万円(課税所得)×10%(住民税税率)=8.9万円
②子供2人を妻の扶養にした場合の、妻の住民税(所得割)
妻の住民税(所得割):0円
なぜ、こんな差が出るのか?
住民税には非課税基準というものがあり、扶養している人の数によって、所得が一定金額以下の場合は所得割が非課税になるという取り扱いがあります。
大事なのは、16歳未満の年少扶養控除の人数を住民税の非課税基準の判定には使うということ。
以前あった所得税の扶養控除(16歳未満の子供)のように、課税所得の計算上、1人当たりいくら控除するというものではなく、この人数を含めて計算した結果が一定の金額以下であれば、住民税の所得割自体を払わなくて済むというものです。
市町村によって基準額に若干差異はありますが、多くの自治体で採用されているのが下記計算式です
扶養0人:35万円
扶養1人以上:
35万円×(1+扶養人数)+32万円
注※大阪市は32万円の部分が21万円です
重要なのは、この計算式の扶養人数には、16歳未満の子供も含まれることです。
所得税の計算上は全く対象にならないのに・・・です
所得税の税率は、課税所得195万円以下は5%、195万円を超えて330万円以下の部分は10%と、収入が多い人ほど税率が高くなります。
社会保険加入者の場合は概ね330万円~350万円より給与総額が少なければ所得税の税率は5%です。
ところが住民税の所得割は収入総額に関係なく一律10%なので、所得の少ない方は支払う税金の中での住民税の割合が大きくなります。
この住民税が非課税扱いになるのですから結構大きいのではないでしょうか。
【扶養人数と非課税基準の関係】
※下記計算の非課税基準の所得というのは課税所得ではなく、給与総額から給与所得控除額を差し引いた金額です。
基礎控除や社会保険料控除等は計算に入れず、計算した所得金額が下記金額以下であれば非課税扱い
下記金額を超える場合は、その金額に基礎控除や社会保険料控除・生命保険料控除等を加味して課税所得を計算し、その金額の10%が住民税所得割の税額となります。
※年収は給与のみの場合の概算です
例に挙げた、3歳・5歳の子供がいるご夫婦の場合に戻ると
年収200万円の妻の扶養人数に子供2人を入れたので、年収221万円(所得137万円)まで住民税の所得割は非課税となったのです。
子供2人を夫の扶養にしている場合は、妻の扶養人数は0人ですが、妻の収入が100万円を超えているため非課税とはならず、住民税が普通に課税されます。
しかし、夫の年収は500万円と、扶養人数が2人になったところで、221万円を超えているため、住民税の計算では何の意味もありません。
でも、妻の住民税は大きく変わります。
【昨年以前分の変更について】
下記条件を全て満たす場合、「扶養控除の所属の変更」という手続きをすることによって、支払い過ぎた住民税が還付されます。
・ご夫婦のどちらも年末調整を受けていること
・確定申告をしていない方であること
・扶養親族を増加させようとする者(妻)と減少させようとする者(夫)両名が、その所属の変更を記載した「確定申告書」を提出すること(片方だけでは認められません)
上記に該当する場合は、過去5年分の住民税について再計算し還付が可能です。
国税庁ホームページリンク
もし、今年分の「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社に提出してしまった方は、来年1月までであれば訂正が可能だと思うので、会社に相談してください。